いざ沖縄移住⑦ ついに移住編
拓哉くんが沖縄に行きました。150万円を持って。
それからも、ほとんど毎晩ラインで連絡を取り合い、
電話で沖縄の気候や街の様子、
あとは、お店の出店にむけて物件を探し回っているなどの
近況を聞いていました。
大阪で一人暮らしを始めたばかりの私が、
親に大学の様子や友達の事を電話していたのに似ていました。
これまで私は一度しか沖縄にいったことがなく、
せっかくなので1泊2日の弾丸で、
拓哉くんのいる沖縄に行ってみることにしました。
空港まで迎えにきてくれて、観光スポットを回って、
海で泳いで、沖縄料理を食べて。
もちろん財布を出すのは全て私。
でも、これもそれも拓哉くんのたこやき屋出店のため。
それからも月1回ほどのペースで沖縄に通いました。
私と拓哉くんの間で変わったことといえば、
「好きな男ができた」等、そっち方面の話題を
彼が遠慮なく私に言い始めたこと。
最初は「へ~」くらいのものでしたが、
だんだん私が知らない拓哉くんの顔に嫉妬し始めていました。
それと沖縄への移住の誘いが頻繁になったことでした。
たこやき屋の出店は、
なんやかんや言いながらまだまだ先のご様子。
共通の友人から
「拓哉には前科があるから、すぐに離れたほうがいい」とか
「知り合いに金を借りて、踏み倒そうとしている」など
拓哉くんの悪い情報が私の耳に入るようにもなりました。
本来であればすぐに離れるところ、
この時、拓畜道をアクセルベタ踏みで走っている私は、
「私が拓哉くんを守らないと!」
逆に燃え上がり拓哉くんに真相を確かめました。
前科の事、友人に借りているお金の事、全てを打ち明けてくれました。
前科は友達に嵌められた。友人から借りているお金は10万円。
急いで、私が貸したお金の中から友人にお金を返済させた。
私の説得で。←ここ大事。
気分もアゲアゲ絶好調です。
そんな時、会社でのこと。
新しく出来た上司に自分が長年取り組んだ仕事を否定される
出来事がありました。
それは私が「社畜」として、28歳~31歳自らの全てを犠牲に
取り組んでいた案件でした。
「あ、もう終わらせよう」
プツっと10年間張り続けていた気持ちの糸が切れ、
ボールペンも持てないほど体の力が抜けていました。
ただ、元「社畜」であった以上、
変わらぬ顔だけをして当たり障りなく働いている自分自身に、
「目の前のひとつの事を必死に取り組む事」が美学の私は、
違和感も感じていました。
こういう日が来ることを待っていた気もします。
次の日、会社を辞めたい意向を上司に伝えました。
会社の仲間の事は大好きだったため引き留めてくれた仲間には
心苦しさもありましたが、独身30代女に二言はありません。
「私、沖縄に移住するので仕事辞めます。」
私が月1で沖縄に通っていることは、
会社の仲間たちも全員が知っていました。
それぐらいぶっ飛んでいる方が、皆「お前らしいな」と
笑って送り出してくれるかな、それだけです。
拓哉くんのことを沖縄で支えたい気持ちを、
会社を辞めるための理由にした、そんな風に思っています。
3か月後、
私は本当に退職し、本当に沖縄へ移住しました。
● 拓哉くんに貸したお金
現在のトータル→250万円 (チャリーン¥)
→ あ、100万円の追加融資がありました。
【次回への備忘録】
沖縄移住前に起こった出来事を少しだけ書く。